進化論v.s.創造説
生物がどこからやってきたのか、人間はどうやって現在の姿になってのか… みなさんはどう答えますか? 日本の文部省管轄下の学校で学んだ人たちであれば圧倒的に「ダーウィンの進化論」を基に答える人が多いでしょう。 では、他に答えがあるの?と言われれば「Yes」と申し上げなければならないでしょう。 私が知る限りでは、この「ダーウィンの進化論」の他に「(キリスト教)聖書ある神による創造説」があります。他の説があるとすれば、それは私は存じ上げませんので、ここで触れることはいたしません。 ここでなぜこの話題か…と申しますと、先日BBCで大変興味深い番組を放送していたからです。 ガリレオ・ガリレイやニュートンなど数多くの科学者達の発見、研究がすすめばすすむほど科学と宗教の衝突は大きなったことは周知のことですが、今でもこの「科学」と「宗教」の溝は埋まっていない…という番組でした。 そこで思い出されたこと…。大学時代に「生命の誕生」について「大もめ」したことです。 モメた相手はその当時に仲良くしていたアメリカ/日本のmixの男性。 彼は「ダーウィンの進化論なんて科学的根拠がないし、学校で教えるべきものではない。生命の誕生は神の手で起こったんだ。」と主張。 一 方私は「神が生命を誕生させたという考えは否定しないけれど、進化論が科学の目で見て高い確率で的をえている研究、論理である事柄だということは受け入れ るべき事実ではないの?1つの見方として私たちの生命誕生の謎や類人猿の進化などは教えられるべきだと思う。」と主張。 この話、お互い平行線のまま。彼は一度きりともダーウィンの進化論について賛同することはありませんでした。 その時に初めて知ったのですが、アメリカの多くの学校では「ダーウィンの進化論を教えることがない」…ということです。 特にクリスチャン系の私立学校ではこの傾向は100%と言えます。 数年前にはとある州で「進化論を学校で教えることは間違っている!」という裁判まで持ち込まれたことがありました。 じゃ、何を教えるのか…。それは「神の創造説」なのです。 昨年、全米で行われたアンケート調査でも45%のアメリカ国民が創造説を正当だと考え、進化論は科学的根拠がないので正当ではない(あるいは理解できない)という人が35%という結果がでたそうです。(ギャラップ社の米国世論調査結果より) もちろん、リベラル主義的な学校であればダーウィンの進化論に触れる学校もあるそうですので、その辺りは誤解のないように…。 さて、ここまではアメリカでの話を書きましたが、この機会に他の国の事情についても触れてみたいと思います。 私にとって一番身近な国は夫の国「イタリア」です。イタリアはバチカン公国もありますし、カトリックが国教なので、いろいろ弊害があるのか…と思ったのですが実はそうではないのです。 イタリアの公立学校ではダーウィン進化論をきちんと科学的見解として教えているそうです。 その上で、「宗教の時間」というのが公立学校には設けられていて、これは「自由選択の授業」となっています。 この「宗教の時間」ではカトリックの教えについてを学ぶのですが、週に1度、1時間だけとなっていて、それ以外では一切宗教に絡む話は学校ではされないそうです。 義理姉は教師歴28年の小学校ベテラン教師。その姉にもイタリアの公立学校の現状を尋ねてみました。 最近ではアラブ系移民、アジア系移民など様々な人種が増え、同じ教室で学ぶようになり「宗教間の考え方の違い」には非常に敏感になっているそうです。 も ちろん「宗教の時間」にはこうしたカトリック以外の生徒は参加しません。(アジア系の生徒には自らすすんで参加する生徒もいるそうです。)参加しない生徒 は別の教室で他のアクティビティーを行うそうです。(主には双方の生徒に差がつかない程度に算数等のドリルをする…など) 実は義理姉、カトリック洗礼をうけてはいますが、ほとんど信じていないようでして、学校ではこの「宗教の時間」に参加しない生徒の授業を担当しています。 また、「宗教の時間」に参加するしないは一切成績とは切り離されているそうです。 これはある意味「個人の尊重」とでも言えましょうか…。 少なくともイタリアの公立学校では「科学」と「宗教」は切り離され、進化論を遮断することなく教えられているようです。 イギリスではどうでしょうか…。私はイギリスの学校に通ったこともありませんし、イギリスの学校に通うお子様をお持ちの方にお話を伺っていないので、何とも申し上げられません、が… 近所にある大きな博物館「自然歴史博物館」ではダーウィン研究所が設けられていて、イギリス中の生徒達を受け入れて特別授業を行っていますし、こうした科学的見解をハッキリと博物館の中で示しています。 そしてこの博物館へ訪れる学校はたくさんあります。ということは、学校で進化論を教えている…と考えられます。 さて、生命の誕生を解明すべく長年に渡って科学の発展に貢献している機関があります。 スイス・ジュネーブにあるCERNという研究機関です。ここには世界中から優秀な科学者が集まって、日夜研究に励んでいます。 ダン・ブラウンの本をお読みになった方はご存知かと思いますが、CERNはWEBシステムを構築した最初の機関でもあるのです。 彼らの中には「創造説」を信じている科学者も大勢います。しかし、科学の目で本当のことを知りたい、もっと私たちの未知の世界に触れたい…と思って研究をしているそうです。 こ のトピックについては奥が深いのでこの辺でストップしたいと思いますが、私自身思うことは『一番最初の生命の誕生は神様の仕業かもしれないけれど、誕生し た生命が様々な段階を経て現在の姿へと変化した…というダーウィンの発見は神様が創ってくれたかもしれない「人類」の素晴らしいGIFTであると思う。そ の発見を学び、そこからもっと多くの発見をできる人々を創出することこそ、私たちの役目ではないのだろうか…。そして大きな発見は皆で共有されるべきであ る。』ということです。 私はダーウィンの進化論を学んだ1人ですし、宗教の概念に固定されて育ったわけではないので、こうしたことを言えますが、きっと違う環境にいる人はまた違う見解を示すのでしょう。 みなさんが暮らす街・ご家庭では、どのように「生命の誕生」を学び、また教えていらっしゃるのでしょうか…。 そんなこんなで、今日は異文化理解の記事とさせていただきました。 |
Comments on "進化論v.s.創造説"
こんにちは!!
これ すごく面白い!!
宗教と進化論!!
私クリスチャンですが・・・
それって そんなに真剣に考えたことなかったぁ。それとこれの話があるって位で・・・私の信仰心が ばれるような(笑)。
日本のような はっきりしない宗教国を出ると
ほんとうに 宗教での会話で気が付かされるとこと疑問に思うこと出てきますよね!!
これ!!とっても興味面白くて&深い話でした!!
先月ダン・ブラウンの「天使と悪魔」を読んでいたので、ちょっとアクチュアルなテーマでした。
私は、神様はいると思いますが(といってもキリスト教の唯一神の概念に基づくものではなく)、それと、天地創造とは、私の中では結びついてないですね。
ただ、科学が全てという考え方にも賛成できません。
科学を使う人間の心・モラルは常に見直していくべきだと思います。
bambinaさんの記事にあるように、色々な宗教的背景の中で育った人がいますから、心から創造説を信じている人とは、私も意見が平行線をたどるのみになると思います。
一方で、ドイツ人のような合理性・論理性を重んじて、宗教や信仰心とは無関係で過ごして(特に北の人)、神を信じていると言うだけで、笑われるような中にいると、それも、うーーーんという感じですね。
junkoさん
この話題、最近またアメリカのとある州で盛り上がってるみたいです。先日もBBCラジオで裁判ニュースやってました。
日本では学校で普通に進化論勉強してそれが当たり前と思っているけど、どこかで創造説を信じてるかな〜と思うのですが、どうでしょ?
-----------------------
kaoluさん
ドイツでの傾向にはちょっとビックリしました。
でもよく考えると宗教改革ってドイツから始まりましたよね…。そういう意味ではドイツでの観念は柔軟性と多様性に富んでいるのでしょうか…。
天使と悪魔、お読みになったんですね。私もこの本は好きです。ダ・ビンチコードよりこっちの方が好きかな…。CERNは一般見学受け付けていますので、良かったら足を運んでみてはどうでしょ?
進化論と創造論~科学と疑似科学の違い
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/index.html